【まとめ】Illustratorで色鉛筆風のタッチ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
色鉛筆風タッチのアイキャッチ

Illustratorはフラットで無機質な表現を得意とする一方,何も工夫しなければ平板で面白みのない絵になりがちです。そのため媒体によっては,読者の興味を引くようにアナログ的表現が必要になることも多いでしょう。

ただ往々にしてそういうタッチは修正が難しかったり,同じものを2度と再現できなかったりして苦労することになります。思わず依頼を断ってしまおうかなんて考えてしまいますね。

そこで今回は使い回しのしやすい手描き表現の例として,色鉛筆風タッチの作り方を解説していきます。

色鉛筆ブラシの作成

まずは散布ブラシで色鉛筆の線のブラシを作ります。

散布ブラシはアートブラシのようにパスの長さによって見た目が大きく変わることがありません。
またパターンブラシだと鋭角のコーナーが必要以上に尖ってしまう現象が起きますが,散布ブラシでは安定しています。

このようにあまり状況に左右されないところがメリットです。

ブラシの種類説明図版

では実際に作りましょう。手順は以下です。

  1. 直径1ptで塗りが黒一色の円を生成する

  2. 円を適当にギザギザさせる

    鉛筆ツールで手動で変形したり,効果の「ジグザグ」「パンク・拡張」「ラフ」などを使うとそれらしいものができます。

  3. 円を選択した状態で「新規ブラシ…」を選び,種類を散布ブラシにする。設定は画像のように

    実線散布ブラシ設定画像

なぜ直径1ptかというと,そうしておけばブラシを使用する際の線幅設定と実際の線幅が一致して,使いやすくなるからです。
同じように色も黒で作っておいて彩色の方式を「淡彩」にすれば,使用時の線の色と実際の色が同じになります。

ついでに破線のものも作ってしまいましょう。手順は以下です。

  1. 横幅3pt・線幅1ptで塗りが黒一色の線を生成し,先ほど作った色鉛筆ブラシを適用する

  2. 線を選択した状態で「新規ブラシ…」を選び,種類を散布ブラシにする。設定は画像のように

    破線散布ブラシ設定画像

間隔を100%以上にすることで点線の見た目を作っています。あとは手描きのランダム感を再現するために,自分の好きな大きさや位置・角度に数値を調整してください。
これでブラシは完成です。

色鉛筆の塗りパターンの作成

普通に色鉛筆風塗りパターンを作ると,色を変更するのにパターンを再定義したり「オブジェクトを再配色」して複製したりすることになり面倒です。
そこで今回は,塗りそのものでなく塗り残しの部分をパターンにします。何の変哲もない塗りの上に白い塗り残しパターンを重ねて,テクスチャを表現する作戦です。手順は以下です。

  1. パターンの範囲を示す四角形を生成する

  2. 四角形の中に色鉛筆ブラシを適用した横線を隙間なく敷き詰める

    パターン枠内に横線を敷き詰めている図版

  3. 一番上と一番下を除く横線に色鉛筆ブラシを再適用する

    散布ブラシは適用するごとにランダムさが再計算されるので,そうするといい感じに形が不揃いになります。一番上と一番下はパターンの継ぎ目を自然につなげるために全く同じものにします。

    散布ブラシによってランダムな模様が現れている図版

  4. ブラシを拡張し,パスファインダを使って塗り残し部分をパス化する。はみ出しも削除する

    背面に色の違う四角を配置しパスファインダ「合流」を実行すると,色の違うところが塗り残し部分のパスになります。はみ出しは「切り抜き」で削除するのが簡単です。また今回作るパターンの場合は,横方向のパターンの継ぎ目はあまり目立ちません。特に自然につなげるための措置は説明しませんが,気になるようでしたら調整してみてください。

    パスを反転する手順の図版

  5. 塗り残し部分の塗りを白にしてパターンに登録する

使うときは塗りだけを集めたレイヤーを作り,そのレイヤー全体にパターンを上乗せするアピアランスを割り当てます。
そうすることで一つひとつのパスに適用する手間がなくなり,消すときの消し忘れなど不注意も防止できます。

レイヤー全体にアピアランスを適用する方法の図版

素材の作成は以上です。

タッチの適用

ここからは先ほど作った素材を使って色鉛筆風のタッチを表現していきます。始まりは下のような何の変哲もない日本地図です。

プレーンな地図の図版

これに色鉛筆ブラシを適用し,線の太さを調整したものが次の画像です。

色鉛筆ブラシを適用した図版

そのままでも結構手描き感はありますが,今度は塗りレイヤーに塗り残しパターンを適用します。

塗り残しパターンを適用した図版

なかなか雰囲気が出ました。しかし枠線がきっちりした直線なのが気になります。アピアランス「角を丸くする」「ラフ」で少し崩しましょう。
アピアランスを使うことで崩し具合を数値で指定でき,修正することになっても非破壊編集なのですぐもとに戻すことができます。

枠線をラフにした図版

地図の形がきっちりとした細かいパスなのが目立ってきました。おおざっぱにするため,地図のパスを全部含む親レイヤーを作って次のようにアピアランスを割り当てます。

  1. パスの変形:旋回 角度20°
  2. パスの変形:旋回 角度-20°

これで物足りなければ,数値を大きくしたり「角を丸くする」を末尾に追加するなどするとより省略感が出ます。

地図の形をアピアランスで省略した図版

完成しました!

終わりに

いかがでしたでしょうか。今回のように「状況に左右されない」「数値で管理できる」「非破壊で一括して適用できる」ものを心がけると利便性が高くなります。
自分のワークフローに合わせて新たな手段を開発してみてください。

これでまた少し仕事が速くなりました。今日もさっさと仕事を切り上げて好きなことをしましょう!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

広告

コメントを残す

*