表題の通り世の中には,顔の大きさを揃えてトリミングする作業をしている方がたくさんいます。
インタビュー記事や名刺・社員証・パスポートなど,顔写真を使う状況は枚挙にいとまがありません。そう,いつだって人は人の顔に興味津々です。
でも何十人何百人といった単位でリサイズやマスクをしていたら,しまいには目を背けたくなってしまいますね。
そこで今回はIllustratorで選択している複数の写真から顔を自動認識し,大きさを揃えて切り抜くスクリプトを紹介します。
スクリプトのあらまし
Illustratorで選択している複数の写真から顔を自動認識し,拡大・縮小して大きさを揃えた後クリッピングマスクで切り抜くAppleScriptです。
- macOSに対応(Windows非対応)。macOS 10.12/10.14/10.15(Intel),11.2(Apple Silicon)で動作を確認
- Illustrator CS6,またはそれ以上のIllustratorに対応。Illustrator CS6,CC 2015.3〜2021で動作を確認
- 顔の認識はmacOS付属の機能を利用するので,外部ライブラリのインストールなどは不要
- オフライン環境での動作可能(インターネット上のAPIには接続しない)
- psd, psb, tiff, jpeg, png, gif, bmp, pdf, ai(pdf互換), epsのリンク画像に対応
- epsは内部でpdfに変換するので,その分少し時間がかかる
あるふぁ(仮)さん作のOnegaiSDKをインストールしておくと,キーオブジェクト(サイズ・レイアウトの取得元となる顔画像)の取得が速くなります。なくても動きます。
スクリプトでできないことをSDKにお願いするプラグインを作った|イラレ|ぼんぷろぐ
今回のスクリプトは有料です。ご購入はこちらへ
顔写真のサイズを自動画像認識で揃えて切り抜く Illustrator AppleScript|したたか企画|note
無料お試し版を用意したので,ご自身の環境で動くか確かめるのにお使いください。
kaocli-ai-trial.scpt
お試し版では処理される画像は2つだけです。
フル機能版では選択した画像がすべて処理されます。興味があればソースコードを見ることもできます。
使いかた
大きさを揃えたいリンク画像を選択し,さらにキーオブジェクト指定の要領で大きさの基準となる画像をクリックしてください。キーオブジェクトが指定されなければ,重なり順が一番上のものを基準とみなします(以降これを「キー画像」と表記)。
その後スクリプトを実行してください。キー画像や選択アイテムがどんな状態かで動作が分岐します。
大きさの基準になる顔はどれ?
キー画像にクリッピングマスクがかかっていない場合
最初に見つかった顔を基準にします。残念ながらmacの顔認識機能がどういう順番で進めているのかはわかりません。おまかせです。
マスクがかかっている場合
マスクの枠に一番近いところにある顔を基準にします。
どんな動作になるの?
キー画像にクリッピングマスクがかかっていない場合
基準の顔に合わせて他の画像をリサイズします。1つの画像に複数の顔を含んでいるときは,最初に見つかった顔のサイズと基準サイズが合うように変形します。切り抜きは実行しません。ただリサイズするだけです。
マスクがかかっている場合
同じように基準の顔に合わせて他の画像をリサイズしますが,もし1つの画像に複数の顔を含んでいるときは,その画像を複製してそれぞれ変形します。その後,キー画像のマスク枠と同じ形で切り抜きます。
よくわからん。動画で見たい
言葉にすると少しわかりにくいかもしれません。下の動画を見たら感覚的に理解できると思います。
便利なのはもちろんなのですが,ぐっと選択したらしゅっと切り抜かれるこの爽快感をぜひご体感あれ!
これでまた少し仕事が速くなりました。今日もさっさと仕事を切り上げて好きなことをしましょう!
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