
2019年5月13日,ストックフォトサービスShutterstockにベクター画像(EPS)を寄稿するプロセスが変更されました。
以前はプレビュー用JPEG画像とEPSファイルを一緒にアップロードしていましたが,現在JPEG画像は不要です。プレビューはEPSをアップロードしたときに自動で生成されます。わざわざ画像を作る作業がなくなり,寄稿者にとって快適になります。
問題は寸法に関する規定です。新プロセスでは最低4MP(メガピクセル)以上の大きさのEPSファイルのみ受け付ける,という条件が追加されました。あまり親しみのない単位ですが,メガピクセルとは幅×高さで求められる寸法のことを示します。例えば幅2000px×高さ2000pxは4,000,000=4MPです。最低4MPの条件をクリアするので,このサイズのファイルは審査に合格します。
しかし,ストックイラスト用ベクター画像をそこまで大きく描く人は少ないでしょう。A4が841px×595px,A3が1190px×841pxだと考えると,どれくらい大きいかがわかります。
つまりShutterstockにベクター画像をアップロードするためには,各EPSデータの大きさが4MP以上になる拡大率を計算し,実際に拡大したあと保存するという作業が山のように発生するということです。途方もないですね。
そこで今回はShutterstockアップロードのため,EPSのアートボードのサイズを4メガピクセル以上に拡大するIllustrator用ドロップレット&JavaScriptを紹介します。
追記
2019.11.19 更新
macOS用ドロップレットがIllustrator2020に対応しました。同じ場所から新しいバージョンをダウンロードできます。jsx,exeはそのままでも動きます。
2019.09.02 更新
Windows用ドロップレットがIllustrator CS6に対応しました。同じ場所から新しいバージョンをダウンロードできます。
2019.08.18 更新
Windows用ドロップレットはIllustrator CS6では動作しないようです。現状では解決策を用意できていないので,CS6でWindows用ドロップを使うのがメイン用途のかたはご購入をお控えいただきますようお願いいたします。
2019.06.06 更新
スクリプトを更新しました。すでに購入していただいたかたは,同じ場所から新しいバージョンをダウンロードできます。
内容
- 最大サイズ25MPより大きいとき縮小する機能を追加
- Windows用ドロップレットを追加
Windows用ドロップレット
- Illustrator CS6(16),またはそれ以上のIllustratorに対応(CS6, CC2015.3〜2020で動作を確認)
- Windows7〜10に対応(Windows7, 10で動作を確認)
minimumArea.exeにEPSファイルをドロップすると,それらのファイルを対象にスクリプトを実行できます。minimumArea.exeと同じフォルダにあるminimumArea.jsxを呼び出すので,exeとjsxは必ず同じフォルダに配置してください。
動画で見てみたい
あらましを教えて
Shutterstockアップロードのため,バッチでEPSのアートボードのサイズを4メガピクセル以上に拡大するIllustrator用スクリプトです。元のファイルには手を加えず,編集後のEPSファイルは新規フォルダにまとめて保存します。
AppleScriptでできたドロップレット版と,JavaScript版があります。
どのバージョンに対応してるの?
次の通りです。
AppleScriptドロップレット版
- Illustrator CS6(16),またはそれ以上のIllustratorに対応(CS6,CC2015.3〜2020で動作を確認)
- macOSに対応(macOS 10.12,10.13で動作を確認)
JavaScript版
- Illustrator CS6(16),またはそれ以上のIllustratorに対応(CS6,CC2015.3〜2020で動作を確認)
- macOS, windows両方に対応(macOS 10.12,10.13,Windows8.1, 10で動作を確認)
どんな風に動くの?
ユーザーはファイルをドロップする,ダイアログで選択するなどして対象のEPSファイルを指定するだけです。スクリプトは下記のように働きます。
- ファイルを丸ごと新規フォルダに複製し,Illustratorで開く(元ファイルは変更されない)
- アートボードを基準にして幅と高さを測り,規定のサイズ以上になるよう拡大率を出す
- 大きさが基準に満たないもののみ,実際にリサイズする
- 元ファイルと同じオプションで保存する
保存オプションは元データから変更しないので,寸法以外の項目はあらかじめ審査に通るように設定してください。埋め込まれたメタデータは保持されます。
目標のサイズは4.5MPに設定しました。4MPを少し超えるだけだとよく不合格になるからです。このスクリプトではアートボードを基準として計算しますが,Shutterstockの審査ではバウンディングボックスを基準にするようです。オブジェクトとアートボードの間に余白がある場合は,事前に塗りなし・線なしの長方形を配置してください。
拡大処理をする前に自動でレイヤー/オブジェクトのロックは解除し,非表示は表示に変更します。
拡大は手動でするときと同じように,すべてを選択,拡大・縮小ツールで拡大,という順序で進めます。不透明マスクがついてこないなど,スクリプトにありがちなトラブルを避けられます。また,線幅や効果,パターン,ライブコーナーなどは比率に応じて大きくします。ただし,Photoshop効果のぼかし(ガウス)など,リサイズに追従しない効果もあるので注意してください。
買いたい!
今回のスクリプトはドロップレット/ JavaScript両方入りセットで販売しています。noteとgumroadに出店していますが,あなたは買うためにアカウントを作る必要はありません。
この価格だと手を出しにくいかもしれませんが,ちょっと計算してみてください。
例えば,Shutterstock用の手動リサイズ処理が1ファイルに付き1分かかるとします。
もし時給を1000円とすれば,60個で1000円,180個で3000円です。180個分変換すれば払った金額分戻ってきます。
もし時給を3000円とすれば,60個で3000円です。たった60個で戻ります!
でも一番嬉しいのは,する必要のない無意味な作業から解放されるところです。単純作業は機械に任せて,クリエイティブな部分に力を入れましょう。
こちらのスクリプトは,とよとよ/ストックイラストさんと,テスターの皆さまのご協力で制作しました。ありがとうございます。
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