Illustrator

【解決】Illustratorでアイウなどの連番をふり直したい!

連番振り直し 横方向 図版

学習参考書や問題集などを扱っていると,連番をたくさん使います。問題番号123・選択肢アイウ・三角形ABCなど,枚挙にいとまがありません。

Illustratorでそれらを作るときには,

  1. 普通に「ア □□□」などと入力
  2.  □□□」のようにフォントや文字サイズを指定
  3. 移動コピー・⌘D(繰り返し)・⌘D……
  4. 複製したテキストフレームのアの部分をイ,ウなどに打ちかえ

みたいに進めることが多いと思います。
ほか,過去の制作物があって番号だけ新しいものに打ちかえるケースもよくあります。

でもこの作業ってすごくちまちましていて面倒です。それに世界一連番の打ちかえが速い人間になったとしても,きっと誰も評価してはくれません。

そこで今回は,選択したテキストフレームの1文字目を連番とみなし,座標順で番号をふり直すJavaScriptを紹介します。

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【解決】文字の位置はそのままで行揃えを変更したい!

文字の位置を変えず行揃えを変更するスクリプト アイキャッチ

Illustratorに慣れていない方の作ったデータを見ると,大抵ほぼすべてのテキストが左揃えになっています。これだと文字が増えたり,大きさが変わったりするたびに位置を直さないといけないケースが多いですね。

しっかり者の皆さんは,きっと毎日毎日適切な行揃えに直す日々を送っていることでしょう。お疲れさまです。

幸いにもこの問題にはすでにたくさんの解決策が公開されています。

ただどれも一長一短だったので,今回は以下のような私のおすすめ仕様で書いたJavaScriptを紹介します。

  • 左揃え(上揃え)・中央揃え・右揃え(下揃え)がそれぞれ別のスクリプトになっていて,個別にショートカットを割り当てられる
  • (Illustrator CS6以降なら)左揃えにできる
  • 文字サイズのオーバーライドなど,副作用が発生しない
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【解決】文字スタイルを使わずにまとめて文字属性を変えたい!

文字スタイル風スクリプト アイキャッチ

以前書いた記事【解決】スタイルにショートカットを割り当てたい!により,文字スタイルをショートカットで適用できるようになりました。

でもIllustratorの文字スタイルは以下のように癖が強く,慣れていない人は使いこなすのが難しい面があります。

  • すべてのスタイルが標準文字スタイルの影響下にある
  • スタイルを「強制適用」すると,そのスタイルで指定していない属性は標準文字スタイルのものになってしまう
  • 属性のオーバーライド(スタイルを使わず,直接フォントやサイズなどを指定している状態)がとても強く優先される
  • スタイルを「追加適用」したらオーバーライドのほうが勝ち,結果的にスタイルは無視される

例えば「太字」と「赤文字」の2つの文字スタイルを作ったとしても,両方適用した状態にするには,現実的でないほど繊細な管理が必要になります。

かと言って,いちいち文字パネルをクリックしたり,カラーパネルで値を打ち込んだりするのも面倒です。

そこで今回は,まるで文字スタイルのようにまとめて文字属性を変更するJavaScriptを紹介します。

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【解決】整列・分布を全部ショートカットで操りたい!

Saligna整列・分布パネル配置図

Illustrator標準の整列・分布機能は,整列基準(アートボード・選択範囲など)を変更するのにいちいちパネルをクリックしなくてはいけません。

これが面倒で何とかしたかったのですが,整列基準はスクリプトやアクションでは変更できませんでした。

標準機能ではどうにもならないようなので,JavaScriptを使って整列と分布そのものを丸ごと作ることにしました。作ったスクリプトにショートカットキーを割り当てることで,キーボード操作を実現する作戦です。

ついでなので以下のような不満も一緒に解決してしまいます。

  • 横書きポイントテキストの下に余分なアキができる
  • ポイントテキストにトラッキングをかけていると,行末に余分なアキができる
  • InDesignの「マージンに揃える」に相当する整列基準が存在しない
  • 天地左右センターに揃えるのに,整列を2回実行しなくてはいけない
  • 選択したアイテム全体で一緒に動いてほしいときも,個別に整列されてしまう
  • 「プレビュー境界」にチェックが入っていると,ガイドがどこかに吹き飛んでしまう
  • キーオブジェクトに複合シェイプを指定すると,意図しない移動が起こる
  • スクリプトからキーオブジェクトを取得する方法がない

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【まとめ】意外と知らないIllustratorのパスの小技

パス操作の小技 アイキャッチ

Illustrator使用歴が長い方でも,本当に細か~い技だと知らなかったりするものです。
今回はそんな地味で便利なパス操作の小技を紹介します。

斜め線をそのままの角度で伸ばす

  1. 伸ばしたい線の先端のアンカーポイントをダイレクト選択ツール(白矢印)で選択
  2. 自由変形ツールまたはバウンディングボックスで,シフトを押しながら拡大

この手順で実現できます。縮小すれば同じ角度で線を縮めることも可能です。

斜めの線をそのままの角度で伸ばす図版

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【解決】コピー元のレイヤーにペーストの設定が面倒くさい!

コピー元のレイヤーにペースト アイキャッチ

Illustratorで複数のレイヤーを使っていると,レイヤー構造をキープしたままコピー&ペーストしたくなるときがあります。

そんなときはレイヤーパネルのメニューからコピー元のレイヤーにペーストを選択すれば,元の階層にペーストする設定になります。

でも,パネルのメニューを開いたりクリックしたりするのは面倒です。設定を戻し忘れて後で警告が出た方も多いのではないでしょうか。

思わず「気がきかないな!」と悪態をついてしまいますね。

そこで今回は,コピー元のレイヤーにペーストに設定し,ペーストしたあと元の設定に戻すJavaScriptを紹介します。

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【解決】縦組み/横組みをショートカット1つで切り替えたい!

文字組み方向アイキャッチ図版

Illustratorのテキストは,メニューの 書式:組み方向 で縦組み/横組みを変更することができます。

初期設定ではこの機能にキーボードショートカットが割り当てられていませんが,編集:キーボードショートカット で新たなキーを設定すれば一瞬で呼び出せるようになります。とっても簡単ですね。

でもこれだと,縦組みと横組みでそれぞれ1つずつキー割当が必要です。ショートカットを山ほど作っている皆さんならきっと,打ちやすく覚えやすいキーが枯渇して悩んでいることでしょう。

そこで今回は,選択しているテキストの組み方向を交互に切り替えるJavaScriptを紹介します。

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【解決】Illustrator CS6以降でもかなキーで再変換したい!

再変換実行イメージ画像

Illustratorの過去のバージョンでは,確定済みの文字を選択してかなキーを素早く2回打つと再変換できました(Macの標準文字入力機能の場合)。

しかしいつの間にか(おそらくCS6から)それができなくなり,Adobe社も「現時点では,この問題を解決する方法はありません」とのコメントを出しています。

ただこれはCS6の話なので,後のバージョンでは直っているだろうと思っていたのですが,CCを使ってみたらまだそのままでしたね。

そこで今回は,AppleScriptとKarabinerの組み合わせで,かなキー2回打ちの再変換を使えるようにします。なお,この記事は以下の条件にあてはまる方が対象です。

  • Macユーザ
  • Illustrator CS6以降を使っている
  • 標準文字入力機能(IME,旧ことえり)やGoogle 日本語入力など,ATOK以外の文字入力機能を使っている

ATOKの場合は特別なことをしなくてもショートカットによる再変換ができるので,何も工夫はいりません。

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【解決】スタイルにショートカットを割り当てたい!

スタイルショートカット適用アイキャッチ図版

Illustratorには文字スタイル・段落スタイル・グラフィックスタイルという3つのスタイル機能があります。

それぞれあらかじめ書式や色などを定義しておいて,それをオブジェクトに適用すると決めた通りの設定に変わるというものです。

ただ単に見た目を楽に統一できるだけではありません。スタイルの設定を上書きすれば,そのスタイルが割り当てられているすべてのオブジェクトで同じように変更されるという特徴もあり,後からの修正にとても強くなります。

そんな強力なスタイル機能ですが,Illustratorではキーボードショートカットを割り当てることができません。「InDesignならできるんだからIllustratorもがんばってよ」と言いたくなってしまいますよね。

そこで今回は,JavaScriptスクリプトにショートカットを割り当てるソフトの組み合わせで,文字・段落・グラフィックスタイルのショートカットを使えるようにします。

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【遊び】スクリプトで塗りアピアランスを追加したい!

アピアランスのスクリプト アイキャッチ

Illustratorのアピアランス機能は,修正しやすく再利用も簡単なデータを作るのに欠かせないものになっています。
あまり詳しくない方でも,文字に白フチをつけたり,線路の点線を作ったりするのに使ったことがあるのではないでしょうか。

そんな当たり前のように使うアピアランス機能ですが,残念ながら基本的にはスクリプトで操作することができません。

一応applyEffect()というメソッドを使えば,スクリプトによってアピアランス効果を追加できるものの,その効果はオブジェクトの末尾に加わるだけの素朴な結果になります。
きっと塗りや線の効果を使いこなしているあなたには不満が残りますよね。

そこで今回は,FXGファイルを使ってアピアランスを操作する方法を紹介します。
ただしこの方法はあまり実用性がないので,あくまでもお遊びとして見てみてください。

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【解決】Illustrator CS6でもF7でカタカナ変換したい!

カタカナ変換アイキャッチ図版

近年ではAdobe Creative Cloudが普及し,Illustratorも毎年のように更新されています。

そんな中でも印刷物を扱っている方は,お客様の要望でCS6が現役だったり,パッケージ版を使い続けていたりすることが多いのではないでしょうか。私もそんなイラストレーターの1人で,ほぼ毎日Illustrator CS6で作業しています。

ところがこのCS6,過去バージョンで可能だったF7キーによるカタカナ変換ができません。CC以降は使えるようになったもののCS6はできないままで,文字入力にとても手間どります。
やはり1日に何回もすることだけに,慣れた操作で進めたいですよね。

そこで今回は,KarabinerというMac用アプリケーションを使い,F7にカタカナ変換を設定する方法を紹介します。

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【解決】グラフを正確な寸法で作る準備が面倒くさい!

グラフ準備スクリプトアイキャッチ

前の記事【解決】Illustratorのグラフを正確なサイズで作りたい!によって,グラフを思った通りの大きさで作れるようになりました。

やりかたを簡単に要約すると次のようになります。

  • 何も選択していない状態で線幅を2ptにセットしてから,ダイアログでサイズを指定する
  • 円グラフ・レーダーチャートの場合は,線幅を2ptにセットし目的のサイズ ×(1 ÷ 0.875)の数値をダイアログに入力する

しかしこれは,言うは易く行うは難しというものです。線幅がmm単位の場合は毎回“2pt”と入力しなければいけませんし,サイズは式を入力して値を算出する必要があります。こんなことでは文字を打つだけで日が暮れてしまいますね。

そこで今回は,AppleScriptでこの動作を簡単にする方法を紹介します。Windowsを使っている方は直接同じことはできませんが,似たような方法で実現できると思いますので参考にしてみてください。

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【まとめ】Illustratorで色鉛筆風のタッチ

色鉛筆風タッチのアイキャッチ

Illustratorはフラットで無機質な表現を得意とする一方,何も工夫しなければ平板で面白みのない絵になりがちです。そのため媒体によっては,読者の興味を引くようにアナログ的表現が必要になることも多いでしょう。

ただ往々にしてそういうタッチは修正が難しかったり,同じものを2度と再現できなかったりして苦労することになります。思わず依頼を断ってしまおうかなんて考えてしまいますね。

そこで今回は使い回しのしやすい手描き表現の例として,色鉛筆風タッチの作り方を解説していきます。

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【解決】選択したオブジェクトを一気に差し替えたい!

一括置換アイキャッチ

Illustratorで作業をしていると,選択しているアイテムをまとめて別のオブジェクトに変えたくなることがあります。例えば複数のオブジェクトを後からシンボルに変換するなどです。

普通にやろうとすると,変形パネルで座標をコピーしてペーストするという動作を延々と続けることになります。これでは終わりが見えず,途方に暮れてしまいますよね。

そこで今回は,選択しているアイテムをまとめて置換するJavaScriptを紹介します。

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【解決】スクリプトでのアクション動的生成を簡単にしたい!

スクリプト即時生成アイキャッチ

Illustratorには,手動では使えるもののスクリプトだとコントロールできない機能がたくさんあります。例えば「ブレンド」「段組設定」などですね。

それらを自由に操作するため先人たちは,アクションのソースコードをスクリプトで即時生成・編集して実行する,という技を編み出しました。

でもその技術を使うにはそれなりの知識を持っている必要があります。また,相応の知識を持っていても実際に使おうとすると結構面倒そうです。「これなら諦めて手作業にしたほうが速いかな」なんて予感がよぎり,憂鬱になってしまいますよね。

そこで今回はアクションの即時生成と実行をサポートするJavaScriptのfunctionを紹介します。コピー&ペーストで使えることを目標に書いていますので,読んだ後はある程度簡単に即時生成をコントロールできるようになると思いますよ。
なおスクリプトを書かない方は,読んでもまったく理解できないと思いますのでご注意ください。

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【解決】Illustratorで複合グラフを作りたい!

複合グラフアイキャッチ

グラフ作りの仕事をしていると,棒グラフの上に折れ線グラフが乗っているものを作ることがあると思います。いわゆる複合グラフと呼ばれているものですね。

慣れないうちはそれぞれ別のオブジェクトとして制作するのもいいですが,やはり1つに統合されていたほうがデータの管理は簡単です。
でもAdobeサイトのヘルプ通りに複合グラフを作っても,設定が全然言うことを聞いてくれません。わけがわからなくて投げ出したくなってしまいますね。

そこで今回は,Illustratorで折れ線と棒の複合グラフを作るときの設定内容やタイミングを,丁寧に解説していきます。

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【まとめ】整列パネルのまん中の段って何に使うの?

オブジェクトの分布アイキャッチ

整列はデザインの基本的な原則の1つであり,Illustratorの中でも使う頻度の高い機能です。私は整列をアクションに登録し,キーボードショートカットを割り当てて毎日使っています。

それでも整列パネルのまん中の段「オブジェクトの分布」は活躍する機会が少ないのではないでしょうか。そもそもどんな動作をするものなのかよくわからなくて,ついつい避けてしまいますよね。

そこで今回は「オブジェクトの分布」の働きと,どういう状況で使うと便利なのかという具体的な例を紹介していきます。

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【解決】Illustratorの線をクローズパスで切り抜きたい!

線の切り抜きアイキャッチ

Illustratorを使っていると,特定の領域からはみ出た線を削除したくなることがあります(マスクで隠すのではなく)。そういうときにはパスファインダを使うと速いのですが,いざやってみると不要な部分を自分で選択して消すなど地道な作業をしなければなりません。
これってかなり面倒ですよね。

そこで今回はオープンパスを一瞬で切り抜く驚きの方法を紹介します。

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【解決】Illustratorのグラフを正確なサイズで作りたい!

グラフアイキャッチ

Illustratorにはグラフツールがあり,棒グラフや円グラフなどを数値入力だけで簡単に作ることができます。

寸法も,グラフツールを選んだ状態でアートボード上の適当な場所をクリックすれば,サイズ指定ダイアログが開き数値で指定可能です。でもこれだと,近いけれどぴったりにはなってくれません。

結局グラフデータと印刷用データを別々に用意したり,かなりの手間がかかってしまいますよね。今回はそのダイアログで,期待通りの大きさにグラフを作る方法を書いていきます。

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